姫のブログ　［フラメンコダンサー 時枝典子］

右胸が無くした自分を恋しがり
残った左胸に寄り添おうとする
もう もどって来ないのに

あなたが寄り添う事で
手の届かない身体の奥が痛み出す
悲鳴をあげて血を流す
新しい胸が、そんなに嫌なのか

いっそ
無くしたままの方があなたは良いのか
破れた膜は新しい胸を包みきれず
左胸へ左胸へと引き寄せられる

もう諦めて
新しい右胸を受け入れて
手の届かない痛みと
私は仲良くなんて したくない

どうして今更
失って四年半
私が元気に楽しく生きていくために
そろそろ自由にさせて欲しい

右胸よ、あなたは左胸にはなれない
新しい自分を受け止めて
あなたの主である私に
痛みのないこれからの人生を
決して無くしたあなたを忘れる事は、ないと約束する

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